今回、語釈を引用した国語辞典は
『福武国語辞典〈新デザイン版〉』
ちやほや
◇ 語釈
甘やかしたり、お世辞を言ったりしておだてるようす。「―されていい気になる」
◇ 語源
花や蝶や(蝶よ花よ)
◇ 私見
1001年 | 枕草子 | みな人の花や蝶やといそぐ日も わが心をば君ぞ知りける |
1010年 | 源氏物語 | 花や蝶やとかけばこそあらめ、 わが心にあはれと思い |
1055年 | 堤中納言物語 | うらやまし花や蝶やといふめれど 皮虫くさき世をもみるかな |
1831年 | 仮名文章娘節用 (前編上巻) | 蝶よ花よとそだつるうち |
1834年 | 仮名文章娘節用 (三編中巻) | 生れ落からちやほやいつて。 あんまり大事にしすぎたゆへ |
1834年 | 恩愛二葉草 | ちやほやと歓待(もてな)せしは |
人情本『仮名文章娘節用』において、同じ文脈かつ、同じ意味で「蝶よ花よ」が使われていることから、「ちやほや」の語源が「蝶や花や」であり、江戸時代に広まった語とする説でほぼ間違いないと思われる。
ふんわりとしたまとめ
ちやほやの語源は、蝶や花や
参考
- 国立国語研究所『日本語歴史コーパス』
- 福武国語辞典〈新デザイン版〉