形容詞

「えげつない」の語源

11月 28, 2019

今回、語釈を引用した国語辞典は
『旺文社 国語辞典[第十一版]』

えげつない

◇ 語釈
手段などが、露骨でいやらしい。厚かましくてあくどい。「やり方が―」

語源説
①意気地(いくぢ)なし
②えぐい/えごい
③いかつい

(えぐいの語源はこちら)

◇ 私見
えげつないの「ない」は、「せわしない」「せつない」などの形容詞をつくり、その意味を強調する接尾辞とされているが、説①「意気地(いくぢ)なし」が語源であれば、否定の「ない」であると思われる。

1240年頃
『承久記』
壱岐判官知康と申すいくぢなし
勤めに付かせ給ひて、
いくじなし
1641年
『そぞろ物語』
酔に酔(ゑひ)、在郷の百姓
かたこといひて、いくぢなき風情
だらしない
1662年
『身楽千句』
野辺の闇路にいげちなきいたわしい
1662年
『剥野老』
君をこひ茶のいきぢもしらでいくじ
1706年
『宇津山小蝶物語』
いげちなくもさみせられじ
(軽蔑サレマイ)と枕持ち上げ
情けない
1747年
『万戸将軍唐日記』
ヱヱいげちない、埒の明ぬ、
もう爰へ見えたぞや
薄情である
1756年
『義仲勲功記』
あのの物のいうてゐると、
いげちないは男の気、
厚かましい
1751~64年頃
『男倡新宗玄々経』
在郷の熱鉄坊にも出会ひ、
いげちなきうきめにあふ事也
むごい
1786年
『短華蘂葉』
庄なんのまあおれがいつ。
そんないげちない事した弥
薄情である
1868~70年頃
『両京俚言考』
いげつない不仁不道徳の
利欲家をいふ
1920年
『父親』里見弴
なんで、こない、
えげつなうなんなはってん

ふんわりとしたまとめ

えげつない ← いげつない ← いげちなし ← いくぢなし


参考

  • 岩波 古語辞典 補訂版
  • 旺文社 国語辞典[第十一版]
  • 国立国語研究所『日本語歴史コーパス』
  • 精選版 日本国語大辞典
  • 日本語源大辞典
  • Wikipedia -山岡元隣-

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