「ねた(ネタ)」の語源

今回、語釈を引用した国語辞典は
『旺文社 国語辞典[第十一版]』

ねた(ネタ)

◇ 語釈
《俗語》「たね」の倒語
①新聞記事・小説・話題などの材料「―を探す」
②料理などの材料「すしの―」
③証拠。「―があがる」
④手品などの仕掛け。「―が割れる」

語源説
「たね」の倒語

◇ 私見
崑山集(1651年頃)に「ねた」を用いた俳句があることから、少なくとも、これ以前に生まれた言葉である。

鶉巻きの 足袋のねたかや ぬくめ鳥

おそらく、鷹の足袋として捕らえられた鶉(うずら)が寝る光景を、料理の鶉巻きと重ねて詠んだ歌だろう。「(料理の)ねた」と「寝た」をかけているためか、文脈が不自然に思える。
(広辞苑 第六版より)ぬくめどり【温め鳥】冬の夜、鷹が小鳥を捕らえてつかみ、その脚を温め、翌朝これを放してやるということ。また、その小鳥。冬の季語。
鷹匠の伝承であり、実際には、鷹にこのような習性はない。

◇ その他
ググると、「古く江戸時代から的屋が商売の糧となる「商品」のことをねたと呼んだ」というWebサイトの説明がトップに出てくる。『香具師奥義書』(和田信義、1929年)によれば、香具師の隠語で「ネタ」は材料や種を指すらしい。江戸時代初期に的屋が「ネタ」という隠語を用いていた根拠となる文献があるのかは分からないが、的屋の専門用語が語源とするのは無理がある。

ふんわりとしたまとめ

ねたの語源は、タネ(種)の倒語


参考

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