「したためる/したたか」の語源

今回、語釈を引用した国語辞典は
『明治書院 精選 国語辞典 [新訂版]』

◇ 解字
【認】形声。言+忍声。忍は、こらえるの意。自分の感情や意志を表面に出さず、相手の発言にこらえる、みとめるの意を表す。

したためる【認める】

◇ 語釈
①書き記す。「手紙を認める」
②食事をする。「夕食を認める」

語源説
シタシタ(下々)+動詞を作る接尾語「メル」

◇ その他
書く、食べるの意味で用いられるのは室町時代以後であり、それ以前は、片づける、用意するの意味で用いられる。

したたか【強か】

◇ 語釈
《副》強く。ひどく。大いに。「水を強か飲む」
〈ノート〉「強かに」の形も用いられる。
《形動》手強い様子。一筋縄ではいかない様子。「強かな相手」

◇ 語源説
①シタシタ(下々)+接尾辞「カ」
②シタガタシ(した堅し)

シタの用例

712年古事記「志多多爾(したたに)も寄り寝て」
「斯多賀多久(したがたく)」
しっかりと
しっかりと
970年頃宇津保物語したたかに結び垂れしっかりと
974年蜻蛉日記「つれづれなるままにしたたむれば」
「物など取りしたためなどする程に」
「物取りしたためなどするに」
片づける
片づける
支度する
986年落窪物語「したたむべきことどもの」
「あるべきことども、よくしたため」
「散らし給へる物ども取りしたたむ」
準備する
処置する
片づける
1001年枕草子「帯いとしたたかに結ひ果てて」しっかりと
1010年和泉式部日記「さるべきものなどとりしたため」用意する

「したたに」は、「下々に」の略で「忍び忍びに」の意とする説と、「したためる」「したたか」などと同源とし「しっかりと」の意とする説がある。

◇ 私見
「したためる」「したたか」の語源説は色々と唱えられているが、どれもこじつけに思われたため省いた。シタは整った状態を意味すると思われるが、あってしかるべき「下」との関連がない。

ふんわりとしたまとめ

シタは、整っているの意かもしれない


参考

  • 岩波 古語辞典 補訂版
  • 暮らしのことば 新語源辞典
  • 広漢和辞典
  • 国立国語研究所『日本語歴史コーパス』
  • 新版 落窪物語 現代語訳付き【上下 合本版】
  • 精選版 日本国語大辞典
  • 日本語源大辞典
  • 明治書院 精選 国語辞典 [新訂版]

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール