今回、語釈を引用した国語辞典は
『新明解国語辞典 第七版』
ぶどう【葡萄】
◇ 語釈
①古くから栽培されている、つる性の落葉低木。茎は他の物にからみついて伸び、秋、ふさのように群がりつく実は、秋のおもな果物の一つ。[ブドウ科]
②[ぶどう色]ブドウの実のような、赤みを帯びた紫色。
◇ 解字
【葡】(広漢和辞典に記載なし)
【萄】形声。艸+匋声。
◇ 語源説
ペルシャ地方、ウズベキスタンのフェルガナ地方で “budau” と呼んでいたものが中国で音訳された。
◇ 私見
派生語を次の表にまとめた。
トルコ語 | 葡萄酒 | bade |
ギリシア語 | 葡萄 | botrus |
ラテン語 | 葡萄の房 | botrys |
ラテン語 | 房状の | botrōsus |
◇ その他
・中国の薬物の知識をまとめた『本草綱目(1578年)』で、葡萄について次のようにある。
漢書言、張騫使西域、環始得此種、而神農本草、已有葡萄、則漢前隴西旧有、但未入関耳
前漢時代(紀元前206年~8年)に西域に出使した張騫(ちょうけん)が、葡萄を中国にもたらしたが、それ以前より葡萄という語があり、その物も知られていたようだ。
・日本では、『和名類聚抄(938年)』が「蒲萄」の和名として「エビカヅラノミ」を挙げている。エビカヅラは、もともと日本に自生するヤマブドウを指し、ブドウとは種が違う。現在では「葡萄染(えびぞめ)」という語に残る。
・『日葡辞書(1603年)』によると、葡萄は「ブダウ」と音読みされていた。
ふんわりとしたまとめ
葡萄の語源は、ウズベキスタンのフェルガナ地方の “budau”
参考
- 広漢和辞典
- 新明解国語辞典 第七版
- 国語語源辞典
- 暮らしのことば 新語源辞典
- 日本語源大辞典