今回、語釈を引用した国語辞典は
『旺文社 国語辞典[第十一版]』
ひ【火】
◇ 語釈
①物質が熱や光を伴って燃焼する現象。また、その時に出る炎や熱。
②火事。火災。
③火打ちの火。きりび。
④激しい情熱。
◇ 解字
象形。燃えたつほのおの象形で、ひの意を表す。
◇ 語源説
①日(ヒ)
②朝鮮語 “pïl” と同源
③外来語から
④火が発するその音から
◇ 私見①
上代特殊仮名遣い(奈良時代より後世にはない音韻の区別)では、「日(ヒ)」は甲類、「火(ヒ)」は乙類であるため、2つは別語である。しかし、遠く古代に遡れば、同源の可能性はある。
◇ 私見②&③
奈良時代もしくは平安時代以降に、p →(f → )h に発音が変化したため、火(ヒ・ホ)は火(pi・po)と発音したという。次の表に、外来語説の根拠とされるものをまとめたが、非歴史的な類似語並列にはあまり意味がないと思われる。
言語 | 火の意 |
朝鮮語 | pul |
中国広東語 | fo |
タイ語 | fai |
ラオス語 | fai |
古典ギリシア語 | pyr |
インド・ヨーロッパ祖語 | paəwr |
英語 | fire |
◇ 私見④
筆者がイメージする火の音は、焚火で木が爆ぜるパチっという p の音である。
ふんわりとしたまとめ
火の語源は、よく分からない。