「柿」の語源

今回、語釈を引用した国語辞典は
『明治書院 精選 国語辞典[新訂版]』

かき【柿/柹】

◇ 語釈
カキノキ科の落葉高木で雌雄異花。花は白い壺状。甘柿・渋柿の別があるが、本来の性質はすべて渋柿。渋柿から人為選択によって我が国で甘柿が作られた。材は堅く、家具やゴルフのウッドなどに使われる。

解字
形声。木+〇(←おそらく外字)声。
柿は俗字。

◇ 語源説
①赤木[赤い実のなる木]
②堅き
③外来語から

◇ 私見
カキノキ属の化石は、新生代―新第三紀―中新世(約2300万年前~約500万年前)に日本列島で見つかっているが、栽培種は弥生時代以降に大陸から伝来したものと考えられている。したがって、カキという語も外来と考えられうる。次の表に、外来語説の根拠とされるものをまとめたが、非歴史的な類似語並列にはあまり意味がない。

テルグ語kaki-alli
kaki-rekka
ヒンドゥスターニー語khaki柿色
朝鮮語kam

◇ その他
『東大寺正倉院文書(733年)』の記事に干柿を購入したことが書かれている。また、『新撰姓氏録(815年)』によれば、柿本人麻呂の庭に柿の木があったという。明記されてはいないが、その庭の柿の木、もしくは「久米歌」の「垣本」が、柿本姓の由来であると考えられている。
日本から、1789年にヨーロッパへ、1870年に北アメリカへ柿が伝わったため、英語やフランス語などで柿は kaki という。

ふんわりとしたまとめ

柿の語源は、分からない


参考

  • 木の名の由来
  • 暮らしのことば 新語源辞典
  • 広漢和辞典
  • 明治書院 精選 国語辞典[新訂版]
  • 続・国語語源辞典
  • 大言海
  • 日本古生物標本横断データベース – Diospyros 属
  • 日本語源大辞典
  • Wikipedia – カキノキ

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