今回、語釈を引用した国語辞典は
『集英社 国語辞典[第3版]』
おののく【戦く/慄く】
◇ 語釈
(恐ろしさ・不安などで)体が震える。わななく。
◇ 解字
【戦/戰】形声。戈+單声。單は、はじき弓の象形。戈は、ほこの象形。たたかうの意を表す。
【慄】(広漢和辞典に記載なし)
◇ 語源説
①ワナナクの母音交替形
②擬態語ワナナの母音交替形、クは擬態語を動詞化する接尾語
③ñoñök[クメール語で恐れる]
わななく【戦く/戦慄く】
◇ 語釈
人が恐怖感・興奮・怒りなどで体が震える。
◇ 語源説
①ワナワナナク
②ワナワナ(と)のワナの動詞化
③ウアーナエナゲク(呻鳴萎嘆)
わなわな(と)
◇ 語釈
恐怖や怒りなどのために、体が震えるさま。
◇ 私見
ワ行のオノマトペは「わあわあ」「わいわい」「わくわく」「わらわら」「わんわん」などがあって、国語辞典に載っていなさそうな言葉に「わちゃわちゃ」が思いつく。共通するのは、気持ちが前のめりになっているイメージだと思う。怒りや恐怖で感情を制御しきれない様子が、この「わ」の音のイメージに通じているのかもしれない。
◇ その他
「おののく」と「わななく」をググると、2つの使い分けを説明するWebページにヒットするが、特に使い分ける必要はないと思う。
ふんわりとしたまとめ
おののく ← わななく ← わなわな
参考
- 岩波古語辞典 補訂版
- 広漢和辞典
- 国語語源辞典
- 集英社 国語辞典[第3版]
- 日本語源大辞典