「大人」「子供」の語源

10月 20, 2019

今回、語釈を引用した国語辞典は
『岩波 国語辞典 第七版 新版』

おとな【大人】

◇ 語釈
①一人前に成人した人。
②〈「―だ」「―に」の形で〉㋐老成していること。「彼はなかなか―だ」㋑(子供が)おとなしいこと。静かにしていること。「坊やは―だね」▽㋑は「おとなしい」の語幹。

解字
【大】象形。両手両足をのびやかにした人の形にかたどり、おおきいの意を表す。
【人】象形。横から見た人の象形で、ひとの意を表す。

語源説
①大人成(オホヒトナリ)
②大人名(オホヒトナ)
③大人男(オトナ)
④乙名(オトナ)

◇ 私見
乙名は一族の長という意味である。次の外国語が参考になる。

アイヌ語otop (otoh)「頭髪」oto-「頭」、p「物」
アイヌ語ottena「首領、頭目、酋長(しゅうちょう)」na→niu「人(助数詞)」
ウイルタ語(オロッコ語)ödö-nare「頭、人」ödö「長、頭目」
朝鮮語əlun(オルン)「成人」

日本語も、「乙名」を「首名」と書くことから、オトには頭の意があると推測する説がある。大人・男・乙女などが、この「オト」を同源にしているかもしれない。

こども【子供】

◇ 語釈
①幼い子。児童。
②自分のもうけた子。むすこ、むすめ。子。▽もと、「こ」に「ども」の付いたもので、子ら、多くの子の意。

◇ 解字
【子】象形。頭が大きく、手足のなよやかな乳児の象形。
【供】形声。人+共声。共はそなえるの意。共に、ともにするの意があるので、人を付して、主としてそなえるの意に用いる。

語源説
①小(コ)
②凝る(コル)[体内で凝りて子となる]
③「孩」の古音 ko

◇ 私見①
一応、②&③の説を挙げたが、①の説が妥当だろう。

◇ その他
子供の「ども」は複数を表す接尾辞で「私共(わたくしども)」「男共(おとこども)」などと同じ。供は借字であり、子等(こども)と書く例もある。

ふんわりとしたまとめ

大人は、乙(オト)+名(ナ)
子は、小(コ)+ども


参考

  • 岩波 国語辞典 第七版 新版
  • 暮らしのことば 新語源辞典
  • 広漢和辞典
  • 続・国語語源辞典
  • 大言海
  • 日本語源大辞典

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