今回、語釈を引用した国語辞典は
『三省堂新現代国語辞典 第六版』
さく【咲く】
◇ 語釈
花のつぼみがひらく。
◇ 解字
形声。口+芺声。芺は、わらうの意。芺が八+夭(眹の右側)に変形した。のち、さらに口を付加した。笑の古字。
◇ 語源説
①蕾がサクル(裂)
②栄ゆ・盛ると同根
③サ明ク、サは発語
◇ その他
「咲」と「笑」はどちらも「芺」から分化した言葉である。
(笑うの語源も書く予定)
さく【裂く/割く】
◇ 語釈
【裂く】
①ひとつづきになっているもの(の一部)を左右にひっぱるようにして、二つにはなす。
②むりやりにひきはなす。
【割く】
①一部分を、ある用途にあてる。
②一部分を分けてあたえる。
③[刃物で]切りひらく。
◇ 解字
【裂】形声。衣+列(旧字 → 巛+夕+刂)声。列は、首を切るの意。衣服を切りさくの意を表す。
【割】形声。刀+害声。害は、たちきるの意。刀を付加し、意味を明らかにした。
◇ 語源説
①サク(放)
②裂く音から
③サワク(小分)
④サアク(小開)
⑤カク(欠)
⑥灼(シャク)
⑦sek-[インド・ヨーロッパ祖語で切る]
⑧saci-[満州語で斬りさく]
◇ 私見⑦
英語 “sect”, “section”, “segment”, “skinny” などが派生語。満州語 seci- もインド・ヨーロッパ祖語 sek- に通じているかもしれない。
個人的に、サクは “sek-“に通じている可能性が高いと思う。
さく【離く/放く】
◇ 語釈【広辞苑 第六版】
[四段]
放つ。遠くへやる。
[下二段]
①間を離す。距離をおく。
②離して遠ざける。
③(動詞の連用形について)~して思いをはらす。「語り―」
◇ 語源説
①サク(裂)
②サク(避)
ふんわりとしたまとめ
咲く ← 裂く ← sek- かもしれない
参考
- 岩波 古語辞典 補訂版
- 広辞苑 第六版
- 広漢和辞典
- 国語語源辞典
- 三省堂新現代国語辞典 第六版
- 日本語源大辞典
- Online Etymology Dictionary –*sek-–