「ついたち」の語源

今回、語釈を引用した国語辞典は
『岩波 国語辞典 第7版 新版』

ついたち【一日/朔日/朔】

◇ 語釈
その月の最初(=朔)の日。▽陰暦で各月のこの日には、欠けていた月が姿を現し初(そ)めるので「月立ち」と呼んだのの音便形。なお、→ みそか

◇ 解字
【朔】形声。月+屰声。屰は、もとへもどるの意。欠けつきた月がまたもどるついたちの意を表す。

語源説
①ツキタチ(月立)
②ツキタツ(月起)

◇ 私見
「立つ」は、立春などのように、新しい月や季節が来ることの意味を持つ。
時間の単位における一日(ヒトヒ)と、暦での月の初日(朔日)である一日(ヒトヒ)の区別ができないため、朔日(さくじつ)は月立(ツキタチ)と呼ぶようになったとされる。しかし、名詞ツキのイ音便化は例がない。また、暦が使われるようになったのは飛鳥時代以降であるから、「月立」の実例がありそうだが存在しない。もしかしたら、都紀多知は月経と被るため避けられたのかもしれない。

◇ その他
『日本書紀』によれば、554年に朝鮮半島の百済を通じて中国暦の一つである元嘉暦が伝えられた。福岡市の元岡古墳群で、「大歳庚寅正月六日庚寅(570年1月27日)」と刻まれた象嵌大刀が見つかっている。

ふんわりとしたまとめ

ついたちの語源は、月立ち


参考

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